デザインセクションに見る 創造的マネージメントの要諦

尊敬する山岡俊樹という大学教授がいるのですが、氏が編著した書籍『デザインセクションに見る 創造的マネージメントの要諦 (ようてい)』を紹介します。

Amazon.co.jp: デザインセクションに見る創造的マネージメントの要諦: 本: 山岡 俊樹

デザインセクションに見る 創造的マネージメントの要諦

デザイン畑からシステムを考える今の自分の立場からしても非常にわかりやすく、まとめて読むことができるので、オススメです。

ここで述べられている一部を要約すると、「デザイン」を以下のように分類にすることができるらしい。

  1. 可視化作業
  2. システム系デザイン業務
  3. 研究業務
  4. 調査業務
  5. 評価業務
  6. 提案業務
  7. ソリューション業務
  8. 全社業務

いずれも、「有機的思考力である論理力」が必要な能力としているので、まさに今求められていることとシンクロします。もちろんADにしろIAにしろ同じデザイン業務として一緒に考えています。

また、「考える作業」と「実行する作業 (可視化)」とで分けた場合、「考える作業」にウェイトを置くべき (教育機関は注力すべき) とあります。こちらも納得。

さらに、「デザイン」には、既存の学問である――コンピュータサイエンス、人間工学、認知科学、システム科学、経営学、社会学、統計学、機械工学、建築学などが下支えをするため、これらのうち2つ以上をマスターする必要がある、とも謳っています。

たとえば「人間工学 > デザイン」の人材であれば、ユーザリクアイアメントの抽出やユーザビリティ関係の業務をこなすことが可能であろう。という具合。

いろいろあるので自分で読んだらいいと思うのですが、デザインの分類について少し詳細を書き出すと以下のようになります。

01) 可視化作業

工業デザイン、パッケージデザイン、グラフィックデザイン、他

02) システム系デザイン業務

ユーザーインターフェースデザイン、ユニバーサルデザイン、エコロジーデザイン、他

03) 研究業務

人間工学研究、感性工学研究、認知研究などによる人間系の研究、多用なユーザーの基礎データベース構築 (生理・認知・身体など)、システム系の研究、他

04) 調査業務

ユーザリクアイアメント抽出、ユーザ調査、他

05) 評価業務

ユーザビリティ評価、ユニバーサルデザイン評価、他

06) 提案業務

商品提案 (単なる形状提案ではなく、商品計画をも包含)、コンセプト構築、他

07) ソリューション業務

システム設計のユーザ部分、システム提案、コンセプト構築、システムの運用面の構築 (マクロエルゴノミクス)、他

08) 全社業務

ブランド戦略、CI、他

自分が、これらのうちどういう分野の業務が得意か、どういう分野に興味があるかなどを計る指標にもなるかなと思います。

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