WebSig IA分科会 ユーザー目的からユーザーフローを導き出す (ライブIA)
「ライブIA」をしたら面白いかも、というアイデアからはじめたこのIA分科会は、なんとか無事に終えることができました。WebSigの運営者や参加していただいた皆さん本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
思い返してみると、これまでのプレゼンはスライドをつくることにそれなりの時間を要して取り組んでいたのですが、今回はスライドはありませんでした。その場でブラウズする画面とクロッキー帳に手書きで描いた自分のヘタクソな字だけです。それがお客さんにとってベストプラクティスだったかどうかはわかりませんが、自分の考えていることを口に出して頭の中にある図を実際に描いてみることで、思考工程を可視化するにはちょうどよかったかと思います。
ということで、ちょっとだけ補足というかなにを伝えたかったのかを書き留めておきます。
第一部 本邦初公開! リアルタイムにIAの思考を追うライブIA
お題は、「東京都公式ホームページへようこそ」を「ユーザーがきちんと使えるサイトにする」というものにしました。もちろん時間制限がある中での取り組みでしたので、ポイントをいくつかに分けてご紹介しました。整理すると以下のような具合です。
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- 前提 (知識) をつくる 外部評価ランキングやその評価基準の移り変わりを見ていく
- 価値基準をつくる 自分の感覚と近いお手本サイトを決めて見まくる
- リアルを想像する リアルで体験してみる。実際の自分の体験とを重ね合わせてウェブの使い方を考える
- ユーザーを考える 当事者・関係者・利用者は必須だが、自分が利用者になって考える
- 仮説としてのシナリオを考える 自分だったらこう使うという使い方をプロセスに分解して要件にする
- サイト構造を考える サイトマップを見て情報分類を再整理する
- ナビゲーションを考える 大分類とファセット分類などを整理してメインナビゲーションを決める
- ラベルを考える シナリオで作った要件に必要なラベルで再整理する
- 画面フローと画面を考える シナリオで作った要件に必要な画面フローと画面を考える
自分の中では、「これがIAです」というものを語るというより、サイトやその利用方法を考えて想像して形づくることって楽しくないですか? ということが一番伝えたかったことです。そうして考えたものなので、自分が使って満足いく形にしたいですよねと。自分が使って使えないサイトってなんだか寂しくないですかと思うので。
なので「IA」という言葉は使っていますが、どちらかというとウェブプロデュースやウェブディレクションをする立場の方でも「作り方」を体験してもらうにはちょうどよかったんじゃないかなと思っています。
動画もYoutubeのほうにあがっていますので、興味ある方はご覧ください。
そのあと、第二部でグループワークをしてもらったわけですが、皆さんが楽しみながらグループワークができたのかが一番気になったところでした。
- 楽しむ
- チーム内での価値基準をつくる
- 使う上での目的の扱いを考える
- あくまで自分だったらこう使うだろうを考える
ポイントとしては「チームでの価値基準をつくる」がありました。複数人でのチームプレーなので価値観として1つの方向性を見いだしてから開始してほしかったわけです。これは会社のプロジェクトでもいえることですが、価値観が違っても目指す方向が同じであれば同じベクトルで取り組むことができます。
もちろん設計を進める上でのポイントとしては使う上での目的の扱いと、あくまで自分だったらこう使うだろうを考えて (実体験を思い出した上で) 要件を考える点です。こちらもいろいろな観点の要素が含まれているお題ではあるのですが、その点を話し合って決めていくことはひとつの方向性を全員で作っていくことになります。そして最後は自分です。そのチームでの成果に自分が納得できたか、になります。
この取り組みを通じて、設計(というか作り方)のポイント習得とチームワークの体験ができたと思います。
WebSig IA分科会の最後としては、盛りだくさんな要素が含まれていました、こんなカタチでもウェブに関わることの楽しさとそれを職業にしている自分たちを客観視できたんじゃないかと思います。
WebSig IA分科会を振り返って
実はこの分科会は3回目になるわけですが、振り返ると年1回ペースだったわけです。
- 2006/09/29 IA分科会 Vol. 1「明日から実践できるIA」
- 2008/08/25 IA分科会 Vol. 2 「ストラクチャの作成を考える」
- 2009/01/17 IA分科会 Vol. 3 「ユーザー目的からユーザーフローを導き出す」
その間にIAのコミュニティ活動 (IAカクテルアワー) があったりなかったりという関係で、国内でバラバラになっている活動を収束しようという話になり、今回をもって「WebSig主催」というカタチはいったん終了することにしました。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。そして次のステップを考えているところです。
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