2011/10/5 (水) にアップルの創設者であり会長だったスティーブ・ジョブズが亡くなりました (56歳)。世界中が悲しみに包まれ、想い想いのメッセージを人々が発信しこの小さくなった世界をものすごいスピードで駆け巡っています。
「アップル = スティーブ・ジョブズ」と言うにはあまりにも小さすぎる。もっと大きな、社会や人々の生活、価値観までをも変えた革新者、そう言える一人の人間はなかなかいないと思います。彼と同じ時代を見ることができたことに感謝しつつ、彼が見れなかった次の時代をボクたちはどう創っていくのか、そこに集中すべきなのかなと思いました。
Think different
ボクにとってアップルを表すとき、ジョブズを表すとき、この言葉が頭に浮かびます。そしてこの言葉が自分に向かっているものだと知ったとき、自分がすべきことや価値観みたいなものができあがったのを覚えています。「Stay hungry, Stay foolish」そうしたメッセージも、自分に対しての言葉として今日改めて心に留めておこうと思います。
「わたしがはじめてMacに触れたのは」ではじまるいろいろな記事を読むと、自分も書きたくなってきたので、ちょっとだけ触れてみようと思います。
ボクは小さいことから絵を描くことが好きでした。高校進学を考えたときも「絵を描けるところなら」という理由で工業高校のデザイン科に入ったくらいです。当時は「カラス口」や「溝引き定規」が当たり前で、いかにムラなく塗ることができるのかがポイントでした。そしてそれをするのが苦手だったのを今でも思い出します。情報処理の授業でコンピュータには触れていたのですが、そこではコマンド入力をしてドットで線を引くとかをしたのを覚えています。
高校を出てデザインの専門学校に行きはじめたのですが、そこで出会ったのが「Macintosh」でした。たしか「LC630」だったと思います。世間では「Performa」が売れ始めていた時期でAdobe Illustratorもバージョン4だったと思います。ムラなく塗ることが苦手だったボクは、クリックで四角に色をつけたことだけで感動したのを覚えています。それからMacにのめり込んでいき、Mac World Expoというのが東京であることを知り、当時大阪にいたため単身上京し、たくさんのパンフレットを収集して上野のカプセルホテルで寝たのと思い出します。
それから自分でも買えるパソコンがほしかったので、はじめて自分で買ったパソコンが当時ニュースにもなった「PowerBook 2400c」です。モバイルというスタイルに憧れがあったのと、たしかIBMと共同開発かなんかで日本向けというのが“売り”だったような製品です。当時にはないコンパクトさと曲線美を意識した筐体デザインは、物の見事にボクを虜にしました。それから「iMac」の発表もあり、当時の広告「Think different」はデザインをしていたボクにとっては十分すぎるくらいのインパクトを与えました。
ちょうどMac OS 8.6くらいだったか、現場のディレクションもするようになっいたことで、そのあたりから会社の支給物としてのIBMノートパソコン「ThinkPad」も使うようになっていき、しばらくMacをメインで使わない時期が続きました。奇しくもOSのメジャーバージョンアップの時期で、Classic環境で使うとか、フォントが使えないとか、ソフトが使えないとか、まわりから見ると安定していない雰囲気もあったことも理由の1つです。
そして、Intelが入ったMacとしてニュースが騒ぎ始めたころに、OSも安定してきた雰囲気もあり、当時クリエイティブディレクションの立場もあったので自分用に「MacBook」の黒を購入したのを覚えています。なぜか自分で買うパソコンはすべてノートブックでした。
会社の立場がだんだんチーム作業から離れマネジメント主体、クリエイティブも統括が主体になってきたときに、メインマシンをMacに変えました。やはり組織にいる以上チームで作業するのであれば、揃えたほうがいいのでWindowsのほうが効率がいいに決まってますが、自分自身はあくまでデザイナーだと思っているのと、個人の価値を考えたときに今後使うのはMacしかないと思ったからです。
ジョブズの大学のスピーチを聞いて英語を勉強しようと思ったし、iPhoneを「電話の再発明」とうたったプレゼンをみてプレゼンうまくなろうと思ったりしました。
今現在は、会社支給の「MacBook Pro」の15インチ (最近はフリーズが非常に多い) と、自分用の「MacBook Air」、「iPhone 4」と「iPad 2」が自分の財産です。
ここまで自分とMacとの関わりを書こうと思ったのですが、どうも自分のことばっかり書いているようでお恥ずかしい。ただ、それだけ自分の人生には直接関わっていたモノでもあるし、その精神はジョブズを通じていろいろなことを考える価値観にも影響をもらったことはゆるぎない事実です。
これからの自分の人生を、ジョブズに負けないくらいのものにしていくために、今日もいいものをつくっていきたいと思います。
Thank you Steve!