昨年に続き、今年も「World IA Day」に東京も参加し開催することができました。このイベントは、世界15都市で同日開催のイベントでボクも加入している団体「IA Institute (IAI)」が主催です。
今年のオーガナイザーは楽天に所属の坂田さんで、これまた昨年に続きコンセントの長谷川さんやAKQAのさとさん、浅野さんや村越さんはじめ、ボクもスタッフとして参加することができました。昨年の経験が役に立ち、今年は思ったより運営がスムーズに感じることが多かったように思います。
ちょうど開催直前にヤスヒサさんが「Big IA と Small IA の間で」という記事をブログで紹介されたこともあり、「IA (情報アーキテクチャ)」に対する関心も少しずつ集まってきていました。
World IA Day 2013 のテーマは「Exploring and Expanding the Ontologies of IA (情報アーキテクチャの価値体系を探求・拡大する)」ということで、東京では「集合知としてのIA」と「IAのメタデザイン」をメインセッションのテーマになりました。
セッション構成は、Yahoo! 知恵袋の概念 (考え方) からはじまり、ビッグデータの活用やこれからの推薦エンジン、最後にパターンランゲージというセッションで、とても興味深く拝聴することができました。
個人的には、岡本さんの Yahoo! 知恵袋の構想と実践が一番わかりやすく腹に落ちた感がありました (表現がふさわしくないかも知れませんが)。というのも、以下の話はすべて業務に直結する話であり、情報アーキテクチャのタスクと言い換えることができます。
- Yahoo! 知恵袋とヤフオクをコトとモノの違いで定義した点
- エラーからの認知拡大と本来の目的達成の手段 (検索インデックスを増加させる狙い)
- 名詞と動詞などのラベルの検討
IAシンキングにも書きましたが、こうした概念の整理からラベルなどのナビゲーション開発までを実践するには、IAという肩書きではなく、IAというスキルを持っている必要があると思います。
セッション全体の感想はほかの方のブログを見てもらうとして、個人的にそのほかのセッションも含めて1行で表わすと、次のようにできます。
- 概念を整理していくことからコトを中心としたサービスデザインがスタートする
- 人的な感覚と機械的な処理とをうまく調合することで、これからのデザインが作られる
- コンテンツ最適への大原則として、目的変数 (?) のデザインが高度に必要となる
- ゆるやかな枠組みとしてのフレームワークから新しい〈学び〉が生れる
全体の構成を改めて見ていくと、森さんや井庭さんは研究開発として、岡本さんや関さんは実践としての講演だったと思います。はじめからそれを狙っていたかどうかはわかりませんが、そういう意味でバランスのいい構成だったように思います。
UX白書にも研究開発と実践とで分かれて書かれているのが興味深いのですが、最近ではスタートアップやリーンなどの言葉が飛び交うようになってきたこともあり、情報アーキテクチャにしても2010年にあった「IAではなくみんなUXデザイナー」といった「IA」の定義についてもまた見直される時期にあるように思います。
そんな中、今年の IA Summit 2013 では、Andrea Resmini がオーガナイザーのワークショップ (ラウンドテーブル) で、「Reframing Information Architecture」というラウンドテーブルがあります。これはさすがに興味津々ですが、どうも都合が悪いので行けない感じなので Redux に期待したいところです。
あと、運営スタッフの皆さんはとても忙しい中ボランディアで参加していただいており、リアルタイムドキュメンテーションからカメラや受付や手配やらで、本当に頭があがりません。あまり役には立ちませんでしたが、ボクもこの一員で参加できたことを誇りに思います。
最後の記念撮影ができたのは、ほんとうに (いろいろな意味で) うれしかったです。
関係者の感想
- IAによるIAのためのIAイベント-World IA Day 2013 Japan #WIADj – UXploration
- World IA Day2013 Japan 無事に終了しました。 | future-proof.jp
- World IA Day 2013 Tokyo 開催 | underconcept
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