9月27日に開催したセミナーイベント「UX-Sapporo x CSS Nite」で登壇してきました。
当日は、CSS Nite in SAPPORO 実行委員でもある李さん(リーグラフィ)と河原さん(さくらインターネット)とでセッションを担当し、司会進行は益子さん(サイバーガーデン)にお願いしました。
イベント背景
今回のイベントは、7月に名古屋で開催された UX Japan Community Meeting #1 で李さんとはじめて会話できたことがキッカケです。ボク自身、小学校低学年のときに北海道(千歳)に在住していたため、共通の知人である益子さんと相談して実現に至りました。北海道での講演がはじめてだったことに加えて、東京に比べて「UX」をテーマにしたイベントがあまりないことを事前にお聞きしていたため、今回のイベントはかなりチャレンジでした。
講演概要
はじめにボクがお話した「仮説で進めるUXデザイン Hypothesis-based Design within UX Design」は、UXやUXデザインについて記事(ブログ)や話を聞く機会は増えたが、実際の業務においてそれほど活用に至っていない方々を対象に、ポイントとなるキーワードから広げて、ケーススタディをご紹介しました。当日のスライドは参加者特典となるため非公開になります。時期を見て別途公開できればと思います。
2カ月経過したため、Slideshare にて公開しました。
次の李さんからは「中小企業向けサイトのUX手法」で、小規模サイトを中心にした取り組みの中から、UX手法を用いた改善方法についてお話いただきました。
最後の河原さんからは「インフラ企業で働く フロントエンドエンジニアの挑戦」というタイトルで、よりよいUXデザイン環境を構築するための「文化の醸成 + 手法の導入」についてお話いただきました。
お二人のお話は、サービスデザイン観点で見た場合に、対クライアントへの対応や企業内での組織横断の取り組みについて多くの示唆を得ることができました。
UXにおけるキーファクター
UXデザインをするうえでのキーファクターを次の3としました。まずはプロダクト単体だけではない視点を持つこと、利用してもらう仕掛けと仕組みを考えることがあげられます。次に、時間軸と接点を見ていくこと、最後に表現におけるパターンを知ることです。
この3つを自らの思考にインストールすることで、取り組むべき問題解決に対処することができます。 サービスデザイン プロダクト単体だけではなく、プロダクトを利用してもらうための仕掛けや仕組みを考える タイムライン 時間軸を見極めることで、利用者との接点を俯瞰する デザインパターン さまざまなデザインパターンを知ることで表現の幅が広がる
カスタマージャーニーマップ(ミニワーク)
最後に行った個人のアクティビティをジャーニーマップにするワークショップでは、それまで黙っていた参加者も積極的にディスカッションしていただくことができ、非常に有意義な時間にすることができました。次はワークショップだけでもいいかも知れないなと思いました。
ワークショップは、ユーザー行動を動画で見てもらい、各アクションにおける課題を見つけ、解決方法をディスカッションするというものです。日頃、自分の業務や対象ウェブサイトでしか考えられない枠組みを取っ払ってもらうことで、ユーザー行動における課題を発見し解決案(ソリューション)を考えてもらうことができました。
仮説とカスタマージャーニーマップ
今回の「仮説」は、カスタマージャーニーマップを使うことで、自分の担当領域以外のことでもユーザー行動の課題となることであれば発見することができるというもので、どのように顧客がサービスと触れ合うのかを仮説立てるツールとしてご紹介しました。
Googleで検索して出てくるカスタマージャーニーマップは、コンサルティングファームのケーススタディとして後日まとめたポスター的なものであったり、手書きのワークショップで付箋をマッピングしたものがほとんどです。しかし、手元で起こる実業務においてはそうしたカタチにはできない場合が往々にしてあります。
今回伝えたかったことは、そうしたカタチにこだわらず、顧客とサービスとの接点を俯瞰する方法を知り、そのうえで課題解決をするという思考を自らにインストールしていただきたかったのが狙いでした。違う場所やなにかの議論の延長で、参加者が今回のような思考で取り組み、実業務に反映していただけることを祈ります。参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
参加者や登壇者のコメントやブログもご覧ください。