スマデバ戦略とジャーニーマップ #WCCStudy

10月29日 (水) に、ネットイヤーグループメンバーズIMJの合同勉強会「Web Creators Circle」の第三回を開催しました。今回は、場所をIMJで開催したため同社の「すまのべ!」のご協力のもと、最新デバイスの体験もすることができ、とても活気あるイベントにすることができました。

第三回のテーマは「スマートデバイスで描く理想のマーケティング戦略」として、ジャーニーマップを使ったグループワークを実施しました。ワークの概要は後述するとして、ワークショップを進めていく中で気づいたことを書いておこうと思います。

今回は、「UXD/HCD ワイワイCAFE」の太田さんらもファシリテーターとして参加いただいたので、そういった点でもかなり充実していました。

ジャーニーマップを使ったワークショップは個人でもいくつか経験したことがあるので、今後の糧になるよい機会になりました。一番気になったのは、感情曲線からはじめるジャーニーマップの作成と進め方について、次の課題があると思いました。

  • 感情曲線から出発すると、全体の構成が見つけられないまま描くことになる
  • モチベーションの度合いが相対評価になると、偏り(狂い)が生じる

全体構成を見つける

感情曲線を使った流れ全体を紙面に収めることを考えると、全体の構成をはじめに見つけてから描き始めないと紙面が余るか紙面に収まりきらない可能性が高いです。ちょうどいいくらいに収まっているものを見ると、頭の中で構成を考えているとしか思えません。とするならば、やはりはじめに構成を決めておくべきだと思いました。

ここで言う構成とは「起承転結」のことですが、今回のジャーニーマップを作成するうえではサービスにまつわる「利用前・利用中・利用後」といったステージのことを指します。「ああして、こうして…」とトピックポイントを単純につなげていくと、まず紙面には収まりません。もちろん紙面の都合を考慮せずにする方法もありますが。

また、トピックポイントをそのステージに合わせてプロットすることも課題を見つけるうえでは重要だと感じました。ステージとトピックポイントがズレてしまうと、正しくソリューションを提案できなくなります。

モチベーションの基準線を描く

次に、モチベーションが相対評価になると「この時よりはモチベーションが上がった」という見方をするので、それまでに描いた度合いを大きく超えるもしくは下回ることが考えられます。そうすると、どうしても後半に行けば行くほどその影響を大きく受け、実際には絶対評価(その時のモチベーション)であるはずの体験が相対評価として描くことになります。

たとえば、基準線(ゼロ地点)から上半分や下半分にだけ曲線が偏っているのはそのせいです。わたしたちの記憶で考えても、常に絶対評価であるはずで、相対評価になるのはもっとも記憶に残った事や類似する経験をしたときだけです。「あの時」と「今」を常に比較できることは難しいと思いますので、基準線がないものにはそうした狂いを生じてしまう可能性があります。

紙面に収まらない場合
紙面に収まらない場合
全体構成を意識した場合
全体構成を意識した場合
基準線を意識した場合
全体構成を意識した場合

グループでのディスカッション

グループワークでは、グループごとに仮想クライアントをくじ引きでを決め、グループ内に一人ユーザーを設定して進めました。ユーザーからヒアリングしてジャーニーマップを作成し、見つけた課題からスマデバを使ったソリューションをグループで企画するという感じです。

参加したグループでは、仮想クライアントを「クリスピー・クリーム・ドーナツ(以下「ドーナツ屋」)」で、ユーザーを「すまのべ!」の加茂さんに担当していただきました。彼女の記憶を遡り、そのときの状況をジャーニーマップに書き写していきました。個性的な彼女の体験を聞くだけでも楽しく、とても有意義なディスカッションでした。

ポストイット
ポストイット

課題は、映画に行く目的でドーナツ屋(店舗)に寄るという目的が別にある点です。「ついで買い」などと呼ぶ購買行動にもよく似た「ついで食い (なぞ)」です。そうすると必然的に、映画チケットの購入時からドーナツ屋での体験はスタートしています。この点を突き詰めて考えていくと、シネコンなどでの複合施設ではそうした連携施策は着目すべきだと考えました。

また、今回のユーザーは「いっしょに映画を観る友達を待っている空き時間に、仕方なくドーナツ屋で待つ」という設定でしたので、空き時間を友達とシェアするという意味で、「待ち割」という割引サービスを考えました。この割引サービスを、映画予約アプリなどでドーナツ屋と連携して提供できれば、複合施設ならではのソリューションが提供できると考えました。

発表後、「ドーナツ屋ならではのソリューションはないのですか?」と聞かれましたが、今回は目的が別にあったので(ついで食いだったので)考えていなかったと話しましたが、さらにドーナツ屋ならではのソリューションが考えられればよかったなと思いました。

ほかのグループの発表も面白いものもありました。マクドでの深夜退店をやさしく案内するソリューションや、スタバで傘を借りれるスマート傘など。皆さん真剣にディスカッションを進めていく中で、ポストイットを多く利用して活気のあるディスカッションになりました。

最新デバイスの体験

IMJの「すまのべ! (スマートイノベーションの略)」には、「Kinect」でのフルーツキャッチゲームをはじめ、「Google Glass」やエプソンの「MOVERIO」、VRヘッドセットで話題の「Oculus Rift (オキュラス・リフト)」が体験できます。ボクも興味本位で「Google Glass」と「Oculus Rift」を体験させていただきました。

「Oculus Rift」では、宇宙探索とジェットコースターのようなデモを体験させてもらったのですが、本当にその空間にいるような錯覚と重力を感じるような体験に驚きました。まさしく異次元空間でしたので、まだ体験されていない方はぜひIMJの「すまのべ!」で体験してみるといいと思います。

Oculus Rift 体験
Oculus Rift 体験

今回も写真は、メンバーズの高橋さんによるものです。ありがとうございます。

ほかの参加者のコメントやブログもご覧ください。

第三回を終えて

今年の5月くらいに企画をはじめたこの合同勉強会も今回で第三回目を終了しました。

はじめはメンバーズとネットイヤーグループの個別の勉強会で検討していましたが、そこにIMJも加わり同業三社による合同勉強会にすることができました。場所も回ごとに変えたため、これで三社(メンバーズの晴海トリトン、ネットイヤーグループの東銀座、IMJの青葉台)を回ったことになります。

次は、メンバーズでと検討を進めているところです。忘年会や新年会も企画しています。興味ある方はぜひ次回にご参加ください。


過去の合同勉強会 WCC Study

1 Comment

Add Yours →

コメントを残す