#tocolabo 会場風景
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2015年8月8日に、クリーク・アンド・リバー社主催のイベント「と、コラボ特別編 – UXってなんなのさ (仮)」に参加してきました。UXをテーマに参加者からの質問に答えていくという座談会形式で、ブログ「could」でおなじみの長谷川恭久さんといっしょに登壇しました。

UXの語感」でソシオメディアの上野さんが整理されているように、現在UXという言葉の解釈にはいろいろとあるようです。そこで、UXについて参加者の質問に二人で答えるだけの形式にしてみてはどうか、とC&Rで司会の篠崎さんといっしょに企画し実現することができました。

プレゼンだけだとどうしても話し手と聞き手に分かれてしまうこともあり、本当に聞きたかったことが聞けないといったこともあると思うので、今回は参加者からの質問をベースにいっしょに考える会という感じにして、やりとりはグラレコを通じて参加者にも可視化できる工夫をしました。グラレコは毎度お世話になっている和田さんにご協力いただきました。

前提

自己紹介でもお話したとおり、個人的にはUXという言葉がどうであれ「自分の手元で起きていることが重要」というスタンスなので、そうした観点でUXを手元で具体化する研究開発中の「UX Recipe」についても少し触れました。

ヤスヒサさんからは、UXをとりまく現況について触れてもらい、2、3カ月で使ったツールを並べてもらいました。そうすると、いかにさまざまな領域に関わっているのかをすぐに理解でき、デザインの概念図においても広い範囲をUXが指していることを参加者と改めて共有することができました。

UI/UX Designer?
UI/UX Designer?

UX / UI Designer?

わかりやすい例で、LinkedIn で「UI/UX Designer」が含まれる求人数が、2008年で159あったものが2014年には3,509にも膨れ上がっているという現状があります。それだけニーズが増えており雇用にも関係しているという反面、募集要項を見ていくと一体何をするのかわからない例も多々あるようです。

いっそ「UI/UX」という表示があれば消すようなプラグインがあればいいのではないか (?) と話しましたが、それをつけるだけで先入観を持たれ、それをつけることで定義の話題になったりするのが、まさにいまの現状だと思います。

さらに「おもてなし」のニュアンスについてや「デザインは透明であるべき?」ということについてディスカッションをしました。個人的には「すべてはコミュニケーションだと考えるため、デザインも相手がいることによって成り立つ活動」だと話しました。そこには作り手である自分の意思が必要だと思います。

質問と回答

その場で参加者からの質問に答えた一部を抜粋してみます。

Q. UXとUIって一言で言うと、どう違うのか?

デザインとは仕組みをつくることだと思うので、UXは利用における仕組みをつくること、UIはインターフェースの仕組みをつくることだ言えるのではないでしょうか。求人募集でよく併記されてる理由はとくになく、そのほうが新しいとかカッコイイとかSEO的ニュアンスのほうが勝っている気がします。

Q. UXに関わる方は、ご自身のポートフォリオに何を載せるのか?

企画書の抜粋でいいのではないでしょうか。プロセスにおける途中成果物にならざるを得ないと思いますし。役割や体制として自分がどのように関わったのか、とくにプロセスが体系化されていること、どう作ったのかストーリーで話せると思います。

Q. UXを測るということについて、そもそも必要か、何をどう測ればよいか?

「UXを測る」という言葉が何か新しいことのように思っている気がしますが、目的達成のための数値目標だと考えればもちろん必要ですし、そこでの仮説や意味付けには、目的達成におけるストーリーが必要になってくると思います。

Q. UXは数値化できますか?

UXと呼んでいるストーリーに関係する数値の組み合わせはできると思います。なので1つだけ見ればいいということではなく、ストーリーに関係する数値を見つけることが大切になるかと思います。そのためには、エコシステムで捉える視点が大事になります。

Q. UXやIAを社内で浸透させる方法は?

社内のコミュニケーションプラットフォームを活用し情報発信をしていくことが第一歩だと思います。ただし目的として、全員が知っている状態を目指すのか、仕事に組み込まれている状態を目指すのかによりアプローチも変わってくると思います。

疑問の本質

今回、イベントの参加者にあらかじめ質問を用意していただいたおかげで、より聞きたいことや知りたいことが浮き彫りになった気がしました。

  • UI/UXの定義問題
  • UI/UXと併記されていることに対する疑問
  • UXメトリクスといった測定に関する疑問
  • 社内や顧客への浸透問題

というように、非常に基本的な事柄でさえも疑問が生じる状況は「自分に一番近いところでさえ理解されていない現状」として伺えます。言葉の定義もそうですが「なぜそれをする必要があるのか?」に対して明確な答えを皆が求めているようにも思えました。逆にいうと、その答えを「UX」という言葉に課せて(担わせて?)表現しようとしているようにも思えました。

ボクから「UXとは、定性的なインプットを得て、定性的な情報で進め、定性的なアウトプットを得る」と話したのは、まさにその答えの部分には定性的かつ不確実性の高い表現にしかならないということと、定量的な数値的なデータも、仮説・意味づけして定性的に置き換えることができるとお話をしたのは、そうした「UX」という表現に惑わされず目的を見定めるうえで必要なことを進めるだけということをお話しました。

また、ヤスヒサさんから「UXとは、知ってるつもりをなくす」という表現でお話されていましたが、皆が「こうだろう (仮説)」だけで終わらないようにし、試行錯誤をして進めて共有する、そういう姿勢こそが大事だということを教わりました。

ポッドキャスティングとの連動

ヤスヒサさんのポッドキャスト「Automagic」では、質問に対する回答も一部配信されています。合わせてお聞きください。

また、彼のブログ「could」でも今回のイベントについて取り上げていただいています。

当日は、CSS Nite鷹野さんもご参加いただき、非常に緊張感のあるイベントでした (笑) ちなみに写真はいずれも鷹野さんの写真を使わせていただいています。

今回のイベントは、終始UXについて話していたと思います。ただし、一方的に話すというよりも本質的な自分との関わりについて参加者とやりとりできたと思います。個人的にもとても貴重な経験になりました。

企画いただき運営いただいたクリーク・アンド・リバー社の皆さん、そしてヤスヒサさん、参加いただいた皆さん本当にありがとうございました。

#tocolabo イベント風景
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