OpenUM + 千葉市 + Code for Chiba

2015年8月5日、OpenUMプロジェクトによるワークショップイベント「千葉市サイトのペーパープロトを作成する実践ワークショップ」を開催しました。

前回、横浜市と開催したイベントの第二弾になり、今回は千葉市にご協力をお願いしました。会場運営は、前回と同じロフトワークさんにご協力いただき、地元関係者というカタチで Code for Chiba の方々にご協力いただきました。

今回のワークショップでは、グループ毎にペルソナやジャーニーマップから自治体サイトにおける課題を抽出し、ペーパープロトタイピングで最適な画面設計を提案するというものです。前回に引き続き、20名程度の参加者と千葉市広報広聴課の皆さんとで行いました。

はじめに、アスコエ代表の安井さんから、わたしたちの自治体に対する意識の低さについて言及され、メニューのわかりづらさを取っ掛かりに行政関係者にはまだまだ「UX」視点が不足している点、そのうえで今回のイベントの意義についてご説明いただきました。

千葉市の現状課題

千葉市広報広聴課の高橋さんからは、現状の千葉市サイトのリニューアル経緯と今後の課題についてお話いただきました。2万ページにもなるボリュームや縦割り組織においてできた情報の壁など、結果として本来市民が望むようなものになっていない部分も多々あるというお話でした。

その中で、横浜市と同じように住民票関連での手続きが約53万件あり課題が多いということで、今回のワークショップで取り上げることになりました。

ペルソナとジャーニーマップの理解

今回は、あらかじめペルソナとジャーニーマップを用意したうえで、全員で読み解きながら対象画面の施策を検討して進めました。

ジャーニーマップ
ジャーニーマップ

ペルソナA: 関山さん「電子証明書の更新」 ジャーニーマップA: 更新手続きが目的だが更新手続きの情報がない課題 ペルソナB: 篠原さん「結婚のため戸籍謄本の取得」 ジャーニーマップB: 検索結果ページに近くの手続き場所が出てこない課題

今回用意したペルソナは、ペルソナAの電子証明手続きとペルソナBの戸籍謄本に関する手続きについてです。どちらも、それぞれのコンテクスト(経緯)をジャーニーマップにした際に、本来の目的が達成できていない課題があり、対象となる画面をどのように改善すればそれらがスムーズに流れたのか、というお題です。

ペーパープロトタイピング

今回は、参加者のほとんどがペーパープロトタイピングをしたことがない方が多かったため、まずは既存サイトの画面を題材に練習しました。その場で説明をしましたが、順番に細部を積み上げていくのではなく、全体構成から徐々に細部を仕上げていく方法です。グループは4つあり、それぞれのグループごとに対象を決めて進めました。

ペーパープロトタイピング
ペーパープロトタイピング

まず個人ワークをしてからグループで議論したため、各グループともに実施内容を細かく議論できた印象でした。途中で参加者から質問があったように、対象画面だけで解決する部分と、ジャーニーマップにしたことで対象画面以外で解決する部分とがあることに改めて気づくことができたと思います。

今回の例でいうと、ペルソナAでいえば電子証明用のICカードリーダライタでの接点、ペルソナBでいう検索エンジン対策(はじめに目的のページがヒットすること)などは、今回の対象以外で解決しなければいけない部分として考えることができます。

まとめ

今回のように、ジャーニーマップにすることで全体を俯瞰し、本来対象ではない(ウェブサイトではない)部分の課題にも気づくことができます。また、どちらのペルソナにとっても、ランディングしたページですべての道標がわかるようにナビゲーションの設計が肝になります。「手続き」という一連の流れを持つサービスではとくにこの部分が重要だと思います。

最後に、今回ご協力いただいた Code for Chiba の活動についても触れ、同じような日本各地にあるコミュニティと連携して今回のような取り組みを継続していければと思います。

発表・講評
発表・講評

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