Photo by Lyft
Photo by Lyft

Lyft と聞くと Uber と同じような配車サービスだと思う人がいると思いますが、もはや配車に留まらない移動におけるプラットフォームだと言えます。

Lyft のスマホアプリを開くと、最寄りのバス停や電車の情報、スクーターの停車場所などが表示されます。最近ではそれらに加えて、自転車の共有ステーション※を見つけることができます。

※2018年7月に Motivate (Citi Bike を提供) を買収しています。

移動のプラットフォーム

この記事にあるように、旅行者の3分の1以上は、配車サービスと交通機関の組み合わせで移動しているということ、そうでなければ徒歩や自転車を使うという報告から、それらすべてを Lyft アプリから行えるようになるということです。

Lyft アプリ
Lyft アプリ

Lyft のビジョンは、自動運転で走行する未来、すなわち自動車の運転をなくす方向に向かっていると見ることができます。そのための配車サービスの提供、交通機関サービスの統合であり、スクーターや自転車まで押さえて移動手段 (徒歩以外) 全てを掌握しようとしているように見えます。

Uber も負けていません。Jump Bikes を買収し、自転車を借りられるようになり、カーシェアリングサービスを提供する Getarounds と提携したためレンタカーも利用できます。最近では Caltrain の電車情報も表示されるらしいです。

両社の戦略は、ただの配車サービスから、移動のためのプラットフォーマーに変わろうとしているわけです。

Uber x Jump Bikes
Uber x Jump Bikes

地図と交通手段の統合

ある地点から別の地点まで移動するとき、必ず位置情報が含まれます。つまり「どこか行こう」と思ったときから、その思考プロセスには必ず地図情報が出てきます。

ただし、「どこか行こう」と思った場合、真っ先に地図を開くでしょうか? 個人的には、行き先や目的、またその目的を提供しているサービスを Google で検索します。Google Map (地図アプリ) を開くのは、行き先がある程度決まってからのほうが多いです。行き先が決まってから交通手段を決めるという具合です。

では逆に、すでに交通手段が決まっている場合はどうでしょうか。電車で行くことが決まっている場合、駅に着いたら目的地までの発券をするところから始まります (今は Suica などの電子マネーで改札を通るでしょうが)。タクシーなどの配車サービスを利用する場合も、乗り込んだらまず行き先を尋ねられます。

Lyft や Uber は交通機関すべてを統合しようとしていますので、交通手段はすべて揃っています。したがって、行き先が決まっていれば、彼らのアプリを利用するだけで目的地までたどり着くことが可能です。

Google Map を開いて行き先を検索し、交通手段を選択後に目的地までサービスを個別に利用するのではなく、交通手段とサービスが統合されたプラットフォーム (Lyft や Uber) を開き、行き先を検索するだけで、目的地までたどり着くサービスが一括して利用可能というのは、新しい体験と言えます。もちろん決済も一括されています。

HERE Technology
HERE Technology

地図検索のプラットフォーム

かつて MicrosoftYahoo!Google と争っていたときと似た状況が地図における検索でも起ころうとしています。

Google Map Platform に対抗するように、自動車メーカー数社に提供しているオランダの Tom Tom や、ドイツの自動車メーカー3社 (AudiBMW GroupDaimler) のコンソーシアムに売却された Here、最近 Porshe と提携してプロトタイピングを行う記事でも話題になった Mapbox なども独自の地図サービスを展開しています。Mapbox は、Tesla UberFoursquareEvernote などの企業やサービスにも採用されています。

自動車を運転するということは、先に述べた交通手段がすでに決まっている状態ですので、行き先を検索 (地図) してすぐにアクセルが踏める状態が求められます。そのため地図は、乗車体験の入口にもなり得るため、各社がしのぎを削っているという状況です。

それらはすべて、正確な地図情報を提供することで、未来における移動 (モビリティ) プラットフォーマーの立場を築こうとしているように見えます。

以上のように、交通機関サービス、地図のプラットフォーム、その上で走行する自律走行車、それらに共通するものは一体何でしょうか。それは多分「移動 (モビリティ)」ということになると思いますが、人の移動にともなうさまざまなことをシームレスに連携・統合し、キッカケから目的達成までのゴールを導く未来のナビゲーションのデザインが求められる気がします。


参考