先週末 (6/4 (土))、情報デザイン教育研究会が主催している「WebUX研究会」に参加してきました。今回は第4回目ということで、これまでにも参加されたことのある方が多く、産業技術大学で「人間中心デザイン」を履修された方も多かった印象でした。HCD (Human Centerd Design) について学習されている方も多く、渋谷界隈で「ShibuyaUX」というコミュニティをつくり活動している方々の発表がありました。※詳しくは、浅野先生のブログ (前編・後編) を参照してください。
当日は、その雰囲気に飲み込まれそうになるくらいアットホームな空気に包まれていたわけですが、そうした中で「WebとUX」についてテーマで話すことになったわけです。
話したテーマは「UXデザインプロジェクトガイド」。ちょうど「IAシンキング」が発売されてまもなく書店で見つけた翻訳本が元です。もともとRuss Unger氏の洋書は手元にはあったのですが、翻訳されていることをまったく知りませんでした。
今回のプレゼンは1人30分以内ということで、その短い間にどれだけ記憶に残るプレゼンをするかがポイントと考えていたわけですが、その中で前述した背景や参加者が想定できたため、あえて「手法やモデル」の話には触れず、それを現実のものにするための視点 (ここではプロジェクトのエコシステム) をプレゼンに加えようと考えました。それと「IAシンキング」にも書きましたが、見えにくいタスクを見えるようにするという意味での「タスク化」そうすることではじめてできる「対価への変換」をメッセージに持ってきたいと考えるようになりました。
対価にすること、タスク化すること
これは、受託側の視点と思われてしまいそうですが、必ずしも受託側だけの視点ではなく発注側の視点にも重要な視点だと思います。そうしたことを考えずに、手法やモデルの話をしているだけだといけない、正直「ただの趣味」になってしまっては意味が無いと感じました。これは、ただの学生の発表会ではないわけで、ただの趣味友達の集まりではないわけで、実際の現場で実践できる人たちの集まりなのだから、どう価値を高めて、まわりの人に (それこそHCDやUXを知らない人たちに) どう理解してもらえるかを真剣に考える機会だと思い、あえてそうした視点でお話をさせていただきました。もちろんプレゼンターは、ボク以外にもCAの鈴木さん・GMOの伊藤さん・ECナビの榎本さんや千葉工大の安藤先生・楽天の脇坂さんがいたことも、そうしたエッセンスにさせてもらった理由でもあります。
なお、今月末 (6/25 (土)) に実施する「第58回 日本デザイン学会 春季研究発表大会」でも同じ講演とパネルディスカッションをするわけですが、オーディエンスがこれまた違うのでどういう反応になるのか今から心配です……。