日経バイト5月号の「UI変曲点」を読んだので気になったトコだけ抜粋します。
ユーザビリティには実は二つの意味がある。上位のユーザビリティと下位のユーザビリティである。下位のユーザビリティには提供する機能を使えるか、使えないかである。上位のユーザビリティは、ユーザーにとって役に立っているかどうかを示す。これをUsefulenssと定義したのはJacob Nielsenである。必要に応じて、Big usability (上位)、Small usability (下位) という言い方で区別する研究者もいる。
と、まずは「Usefulenss」について。「ユーザービリティ」といっても具体性に欠けた部分があり、結局はユーザーにとって役に立っているかを考えなければならないといった内容。
続いて、開発手法としての「User centered design」またそのプロセスについて。
ISO 13407のタイトルは「Human-centered desgin processes forinteractive systems」。人間中心設計のための方法論を示した。製品の開発プロセスを4段階に分け、それぞれの目的を明確にするとともに、評価が必要なプロセスを明示した。
とあり、そのISO 13407の開発プロセスは下記の4つから成る。
- ユーザーがやりたいことやその状況などを把握し、ユーザーを理解する (context of use)。
- ユーザーが求めるものをリストアップする (user and organisational requirements)。
- ユーザーの要求リストに基づいて設計する (produce design solutions)。
- 設計案をリストに照らし合わせて評価する (evaluate designs against requirements)。
これらのプロセスであるユーザー評価については、
- 定量的評価から定性的評価へ
- 全プロセスに全員が参加/li>
などが必要とあります。
「全員参加」はプロジェクトの規模や関わる人間が多くなればなるほど難しくなってきますよね。しかし、全員がかかわることでその製品への期待やユーザーが考えていることが共有できると思います。わたしの経験からもそう思います。
「ユーザー・エクスペリエンス」について。
製品をデザインするUser centered designの手法をベースにすることで、誰でも使えることにつながるユニバーサル・デザイン、感情や気持ちを喚起するデザイン、所有欲を高めるブランド・デザインが可能になる。これらがそろうことで、ユーザー・エクスペリエンスを提供できる。
まとめると、「User centered design (ユーザー中心設計)」には、
- ターゲットをげることで「ユニバーサル・デザイン (誰でも使える)」
- ブランド・イメージとの整合性を評価して「ブランド・デザイン (所有欲を高める)」
- 感情も理解し評価することで「感情や気持ちを喚起するデザイン (楽しさ、うれしさを感じさせる)」
があり、それらをそろえることで「ユーザー・エクスペリエンスの実現」が可能となる。
その他にも「メンタルモデル」についてや「アフォーダンス」などなどいろいろあって面白かったのですが、読んでいて一番思ったことは、ウェブに関わってきてこれからも関わっていくであろう自分に対して「初心に戻ろうか」ということでした。
もしまだ読んでいない方などあればぜひ読んでみるといいと思います。