3/18 (金) に書籍『IA/UXプラクティス』が発売されました。
単著として 2 冊目の本ですが、予約開始直後から多くの方にご紹介いただき、とくに献本させていただいた方々のご紹介のおかげで、予約数も前著を大きく上回る結果となりました。本当にありがとうございます。
この本が示すテーマは、「情報アーキテクチャとUXデザイン」ということになりますが、過去を振り返って整理した部分と、これから考えなければならない部分とが混在しています。その中で、演習をカットして「よくある課題 (Practice)」に変更したのは、問題を解くことよりも問題を共有する段階に今はあるのではないかと考えたところにあります。
今回新たに書き下ろした第5章は、昨今のカスタマージャーニーマップに関する経験と課題をまとめています。付録につけた「UX Recipe の挑戦」まで読めば、今後求められるデザイン活動においてカスタマージャーニーの重要さとUXデザインのアプローチ(方向性)がなんとなくイメージできるかと思います。
この「なんとなく」が重要だと考えています。
すでに読んだ人の中には「内容が浅いのではないか?」「もっと具体的に知りたい」と思った方もおられると思いますが、知りたい内容や具体的にしたいことは読者ごとに違います。セミナー後のアンケートでも同様ですが、もっと進め方の詳細を知りたいと思う人や、もっと具体的な数字を知りたい人、説得材料がほしい人、巻き込み方を知りたい人、ツールの使い方を知りたい人などさまざまです。
これらは山積するサービスの課題とまったく同じです。個別に対応するのではなく、それらが指し示す本質的な課題はなにかを考えてみました。ボクはそれを「関係者との課題の共有不足」ではないかと解釈しました。そのため、この本はそうした課題を幅広く扱うカタチになっています。あとはそこからどう詳細に落とすか、どう具体的にするかは読者の置かれた環境の中で見出していただければと思っています。
本書が、そのキッカケづくりに貢献し関係者の共通言語となることを願います。そしてそれを広く共有していただければ、われわれのデザイン活動は大きく前進すると信じています。
『IA/UXプラクティス』の発売を記念して各地でセミナーを企画しています。希望があれば Facebook でメッセいただければと思います。
最後に目次をざっと並べて見てみました。みなさんの課題のヒントは見つかったでしょうか?
目次
第1章 UXデザインのとらえ方
- UXデザインとは
- ユーザビリティとの違い
- HCDプロセスの応用
- リーンUXの原則
- Practice: UXデザインをプロジェクトに入れるには?
- コラム: リーンUXと品質の関係性
第2章:モバイルのUXデザイン
- モバイルファーストの考え方
- モバイルデザインのヒント
- タッチ・ジェスチャーのインタラクション
- 解像度とレスポンシブ対応
- Practice: モバイルの役割を考えるには?
- コラム: クロスチャネルにおけるデザイン
第3章:モバイルにおける情報アーキテクチャ
- モバイルのIAパターン
- 階層型
- ハブ&スポーク型
- マトリョーシカ型
- タブビュー型
- 弁当箱型
- フィルタビュー型
- 複雑なナビゲーションパターン
- Practice: デザインパターンを活用するには?
- コラム: 愛着を深めるマイクロインタラクション
第4章:問題解決としての情報アーキテクチャ
- コンテンツ構造設計と優先順位
- 検索パターンとナビゲーションの関係
- プロトタイピングという可視化
- デザイン原則
- Practice: プロトタイピングツールの使い方とは?
- コラム: サービスデザインという見方
第5章:UXジャーニーマップと可視化
- ジャーニーマップの種類
- シナリオの活用
- 定量✕定性
- UXマッピングツールの活用
- Practice: カスタマージャーニーマップを活用するには?
- コラム: カスタアマージャーニー分析
付録
- アプリUIデザイナーからみたUX with 深津さん
- ECサイトにおけるLPパターン by 稲本さん
- 事業会社におけるUXデザインの取り組み by 村越さん
- UX Recipeによる挑戦
- UXデザインに関する書籍紹介
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