UX MILK Fest 2019
UX MILK Fest 2019

先日「UX MILK Fest 2019 – デジタルなUXに関わるすべての人のためのUXデザインフェス」に参加し登壇する機会をいただきました。UX 系で大規模イベントに登壇するのは実に2年ぶりのことでしたので、個人的にも楽しみにしていました。

スタッフも有志で集まっているらしく、イベント主催者としても活動されている方が多いからか、とても安心して運営を任せられる印象でした。事前に Slack でやりとりをし、必要なことは DocBase に集約されています。ここらへんが「UX MILK」ブランドの強さだと思いました。

会場の雰囲気

  • 世代の違いが顕著(若い世代=参加者 + ボクと同じ世代=見学者)
  • ディレクターが大多数(次にデザイナー)が参加
  • 事業会社、スタートアップなどが多い(受託は少ない印象)

イベント全体についてや雰囲気は、別の方のブログなどを見ていただくとして、ボクの視点で登壇の振り返りと補足を書いておこうと思います。

MaaSにまつわるエトセトラ

キーノートで30分ほどでしたが「MaaS」を中心に話しました。イベント自体は「UXの解像度を上げ、UXデザインとの関わり方を考える日」をテーマにされていたため、自分にとっての「UX」や「UXデザイン」を現在の取り組み(モビリティやMaaS)に重ねてお話しした具合です。

UXデザインの誤った通念

とくに伝えたかった部分は、2年間の自動車メーカーで経験した、それまでの理解とは明らかに変わった部分です。一般的なUXデザインに関しての理解は、次の3つのようなことが言えると思いますが、それが次のように変わりました。

  • UXデザインとは、広義のデザインを指す
  • デザイン(組織や工程)に、UXデザインは必要だ
  • UXデザイナーは、ある意味スーパーマンだ

これがこう↓言えます。

  • まわりの視点はあくまでも、装飾・造形でしかない
  • 包含関係が逆、企画を含むのがUXデザインだ
  • 求める組織により、役割は大きく異る

デザインが、装飾・造形を指す部分とマーケテイングやビジネスに分かれる話は前回の記事「What does impressions mean in design?」でも触れましたが、大企業における長期間のプロセスと縦割り組織かつハンドオーバーの習慣はなかなか根が深いものです。

本音を言えば、(UXデザインには)企画もデザインもないんだ、と言いたいところですが、そういうことを求めているのは、そうなっていない組織に限りますのでそれに合う解も必要です。ボクの経験上、その解は「UXリサーチ」にあります。

UXリサーチでブリッジする

ハンドオーバーになる前提のプロセスだと、それぞれの立場からそれぞれに要求する部分が異なります。つまり相反する要望で溝を深くしてしまうわけです。

  • 企画: (自分たちのロジックを表現する)絵がほしい
  • デザイン: (自分たちがデザインするための)ロジックがほしい

そこで、企画段階において「はやく絵にすること」「ロジックをつくること」をUXリサーチとしてブリッジするわけです。プロトタイピングを作り、ユーザーボイスを聞くわけです。もちろん時系列でいえば、これらは往々にして「デザイン側の投資」になります。

なぜそのデザインにするのか

なぜか、最後にケツを拭くのはデザイン側(後工程)になるからです。一個人に置き換えても同じことが言えます。自分がデザイナーだとすると、企画に求めているのは、理由なんです。「なぜそのデザインにするのか」ロジック(根拠や論拠)がほしいわけです、自分がデザイン作業をするうえで納得したいわけですね。

そして、それを待っていてもはじまらないわけなので、自ら仕掛けていく(勝手に提案する)しかないわけです。

MaaS = “Mobility” x “Service”

MaaS」の詳細については割愛しますが、簡単にいうと「Mobility」と「Service」とに分けて理解するとわかりやすいと思います。

  • Mobility: CASEで示す、4つの機能拡張。
  • Service: MaaSレベルによる、サービス統合度合いの5段階。
CASE
MaaS レベル

MaaS で実現したいことは(誤解を恐れずにまとめると)、サービス横断で認証を行い、予約から決済までを自動化できるプラットフォームづくりだといえます。

その展開先には、公共交通機関を中心にしたパブリックモビリティの範囲と、マイカーを中心にしたパーソナルモビリティの範囲とがあり、最近ではその展開先にそれ以外のサービス(医療や金融、小売など)も含まれてくるため、MaaS を介してさまざまなビジネスチャンスを各社が狙っている状況です。

とくに自治体や行政の視点では、経産省と国交省の取り組み「スマートモビリティチャレンジ」のように、地域の活性化を MaaS により実現しようという試みも増えています。海外でいえば、Google からスピンアウトした SideWalk のトロントとの取り組み「Sidewalk Toronto」などは都市計画にまでおよんでいる顕著な例です。

前回の記事「Be a MaaS Designer?」でも書いたとおり、現在ボクの仕事はこの MaaS 事業の支援をしている関係にあるため、自動車メーカーからの変化と合わせて現在の取り組みを紹介させてもらいました。

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現在、100名を超えるグループ「カロッツェリア」を主催しており、その取り組みの第一弾になる体験カードも紹介させていただきました。

以前からチラホラと触れ回ってはいましたが、ようやくクラウドファウンディングのページができてきたので、後日公開する予定です。

ワークショップで使うデザインツールですので、UXデザイン関連のワークショップを主催されている方にもぜひ使ってほしいものです。興味ある方はぜひメッセージください。