少し前に「CX vs UX」という記事が散見されましたが、自分なりにも整理してみようと思います。
前提としては、どちらもエクスペリエンス(体験)と書いてますので、その対象者をユーザー(利用者)と呼ぶかカスタマー(消費者)と呼ぶかという点でも異なります。
概念としては、「視点が違う」ということもできますが、その言葉を使う背景から考えると「責任範囲が明確に違う」と見ていいと思います。
対比してみると、次のような感じだと思います。
CX (Customer Experience)
- カスタマーエクスペリエンス
- マーケティングにおける文脈
- 対象はサービスデザイン
- 店舗やサポートなど、ビジネスの対象者を指す
UX (User Experience)
- ユーザーエクスペリエンス
- プロダクトにおける文脈
- 対象はプロダクトデザイン
- ユーザビリティやUIなど、プロダクトの利用者を指す
言葉の使い分けに目を向けてみましょう。「CXを向上させるためにUXに取り組む」「UXを向上させるためにCXをとらえる」という具合に、次のように使い分けができます。 用例1 CX(つまりマーケティング効果)を向上するために、店舗担当者が使うタブレット用のWebアプリのUX(プロダクト利便性)を調査した。 用例2 WebやアプリのUX(つまりプロダクト利便性)を向上するために、カスタマージャーニーマップ(マーケティング分析手法)を用いた。
このように、視点が異なるため責任範囲(目的)も異なってくるということです。
以上のように、「CX」をマーケティング、「UX」をプロダクトの文脈で考えた場合、マーケティングの要素にはプロダクトが必要であり、プロダクトを考えるにはマーケティングを考えなければいけないわけなので、相互関係があるといえます。
したがって、CX(マーケティング)の文脈で語られるとき、プロダクトについては言及されにくく、UX(プロダクト)の文脈で語られるとき、マーケティングについては言及されにくいといった偏りが見られるのが現状です。
論点は、責任範囲に言及すべきで、己が何をするかで話すようにしましょう。
「で、結局何するんだっけ?」と思ったときには「X(体験)」で話さず「C(マーケティング)」なのか「U(プロダクト)」なのか目的を明確にして議論を進めるとよいかと思います。
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