これからのコーポレートサイトのあるべき姿 #WCCstudy

先月 (6/18)、ネットイヤーとメンバーズとの合同勉強会「Web Creators Circle」を開催しました。急遽 IMJ さんも加わったため、奇跡的に競合3社が一堂に会するイベントとなりました。この会の発起人は、 メンバーズの塚本さん・高橋さんとネットイヤークラフトの松本さんとわたしとで企画しました。

第一回目のテーマは「コーポレートサイトのあるべき姿とは」という、古くて新しいお題にしました。わたしも含めて10年以上も前からウェブサイト構築に携わっている方がいる中で、これからのウェブサイトはどうあるべきかを話し合う機会にしてみよう、ということでディスカッションテーマを決めました。

  1. コーポレートサイトの基本コンテンツメニューは決められないのか?
  2. コーポレートサイトのトップページはプロモーションの場なのか?
  3. コーポレートサイトの運用の理想のかたちは?

各グループで発表されたことは追々まとめるとして、主にわたしのグループで話していて気になったことを書いておきます。ちなみにわたしのグループには、IMJのプロデューサーやメンバーズの新卒君、ネットイヤーからは経験豊富なIAなどが加わったため、短い間でしたがかなり濃い時間になりました。

コーポレートサイトの基本メニューは決められるか?

まずコーポレートサイトの基本メニューは共通メニューなどで決めることができるか? という問いです。

全グループ共通で「決められる」と結論づけました。

まず参考にしたのは Wikipedia の「コーポレートサイト」にある内容です。ここでは「掲載すべき内容に関しての規定は存在しないが、おおむね以下の内容を含むことが多い」とあります。もちろん、企業規模や事業内容によって異なる点はあるかと思いますが、ここに書かれていることについて否定するようなことは特にありませんでした。

  • 会社概要
  • プレスリリース
  • 製品・サービス情報
  • 住所/問い合わせ先
  • 採用情報
  • IR情報
  • 新規取引情報

そもそもコーポレートサイトは必要か?

ディスカッションを進めるうちに、そもそもコーポレートサイトの必要性について議論しました。

同じような情報が他で得られるのであれば、(極論) 必要ないのではないか?

Wikipedia もそうですが、検索して見つかるのであればそれで十分だという考え方です。一般ユーザーは全く困らない。だいたい見ない。

では「なぜ必要と考えることができるのか?」という問いで考えていくと、そこには「正確さや信頼度」という尺度が意見として上げられました。同じような情報でも正確さがなければ入手されない、信頼度がなければ「ただしく情報を伝えること」にはならないということです。

WCC勉強会 (講義風景)
WCC勉強会 (講義風景)

ターゲット別に適したアプリケーションがあればいい?

その正確さや信頼度も求められてはじめて効果を発揮することになります。

必要なメニューのうち、特定の目的/特定の利用者を想定するものが多くあるのではないか? という意見がありました。

「サービス情報」はサービス利用者と見ることができますし「投資家情報」は投資家向け、「採用情報」は学生や就職希望社向けになります。そうした特定の役割を担うタッチポイントで考えた場合、それぞれに適したアプリケーション (機能) があればいいという考え方ができます。

新卒向けに Facebook ページを持つことや新卒向け採用に特化したスマホアプリをリリースしている企業があるのもうなずけます。

ターゲット別に見るコーポレートサイトのメニュー
ターゲット別に見るコーポレートサイトのメニュー

結局、コーポレートサイトはどうあるべきか?

共通メニューは作れそうだが、特定の目的に特化していく方向がある中で、どうあるべきかを議論しました。

コーポレートサイトとして求められるのは、それら特定の目的に特化したアプリケーションを統合する空間であればいいという考え方ができます。つまり「ポータル化ができていればいいのではないか?」という結論に近づいてきました。

2013年の米コカコーラや英バージンが、コーポレートサイトをマガジン風な情報発信メディアに変えているという流れもありますが、それらはコーポレートサイトの情報ポータルに取り組んだ結果、新たなアプリケーション(特定の目的や特定の利用者)を開発するという視点で取り組んでいるように見えます。もちろん、そのためには、そうした取り組み自体を支持する市場価値やブランド認知があってこそですし、コンテンツ発信できる体制としくみを整える必要があります。

コーポレートサイトもストックからフローへ?

コーポレートサイトのコンテンツを考えるために、「ストック」と「フロー」で考えてみました。

ストックとフローで見るトップページ
ストックとフローで見るトップページ

これまでは、企業情報は、そこ (コーポレートサイト) に行けば見ることができる、という考え方がありましたが、これからは、そこに行かなくても見ることができる。別の言い方をすれば、ストックされた情報にアクセスして探す行為から、フローの中から情報を取り出す行為に近づいていると言い換えることができます。

そう考えると、ディスカッションテーマにある「コーポレートサイトのトップページはプロモーションの場か?」と考えること自体、大変おかしいことを言っており、誰も見に来ない門構えを立派にすることがあたかもコーポレートサイトの役割のように聞こえてしまいます。

これからのコーポレートサイトのトップページとは、いわゆる利用者がはじめに見るランディングページを指し、そのページの構成にはプロモーションも含むさまざまな要素が、特定の目的に応じた見え方ができてはじめて成立する、というふうに考えることができます。

それらを実現するには、ユーザーの理解はもちろんですが、提示するコンテンツ自体がマイクロコンテンツ化して取り出しやすい単位(モジュール単位)であるとともに、どういう条件で誰がどのように利用されるかを考えなおす必要があります。

以上のようなことを、さまざまな立場の方とディスカッションしたことで、個人で考えているようなことを改めて深堀りし、こうして文章にすることができました。なお、参加者には Facebook グループへの招待をしており、次回を絶賛計画中です。

Web Creators Circle logo
Web Creators Circle logo

Web Creators Circle」略して「WCC」を今後ともよろしくお願いします。

メンバーズのコーポレートサイトにあるコラム「これからのコーポレートサイトのあるべき姿とは〜メンバーズ、ネットイヤー合同勉強会を行いました」でもご紹介されています。


過去の合同勉強会 WCC Study

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