10月4日(土)、福井県で行われた「アップグレードふくいプラス2015」に参加しました。7月に東京で行われた「エンタミナ」の福井版という位置づけでもあったため、登壇者も同じ顔ぶれです。福井に訪れるのは、今回で4回目 (?) くらいだと思いますが、昨年はじめて福井に訪問してからまだ1年しか経っていないことに驚きます。
東京駅から新幹線ひかりで米原へ行き、米原から福井までしらさぎ特急で行くルートだったのですが、今回この米原駅で乗るはずだった特急車両がトラブルで足止めを食うことになってしまいました。ちょうど中尾さんが同じホームにいたので合流し、待ち時間のあいだに立ち食いうどんを食べ、ようやく来た次便に乗り込み福井県までの間通路に立ったままだったので「しりとり」をして時間を潰しました。
そんな中尾さんが司会だったわけでが、会場の福井県産業センターで約30名くらいの参加者とほぼ半日のイベントになります。簡単ですが、それぞれの講演内容を振り返ってみたいと思います。
KDDIウェブコミュニケーションズのファンづくり施策について
by 阿部さん (KDDIウェブコミュニケーションズ)
まずはじめは阿部さんです。ホスティング業界と各社サービスの比較からはじまり、コンテンツの伝え方の違いについて矢沢永吉や佐々木希などを例に出し解説いただきました。これはもう鉄板ですね。何度聞いても笑ってしまうので引用しときます。この違いが想像できれば言わんとしていることは理解できると思います。
- 佐々木希「一本早い電車で先に行ってて。すぐ追い付くから」
- 吉田沙保里「一本早い電車で先に行ってて。すぐ追い付くから」
また、ユーザーが本当に知りたい情報とは何かについて具体的な実例をもってご紹介いただきました。コンテンツを作るときに気をつけたいのは、企業が発信したい情報とユーザー目線の情報が「<」となったところにあるとし、具体的な画面上の行動についてもヒートマップで見られている部分まで掘り下げ、本当にここまでオープンにしていいのか (!) と思うくらい実際の数値を含む結果と考察を教えていだきました。
コンバージョンを高める表現設計の基本思考
by 高瀬さん (ダクハス)
自己紹介から全開の高瀬さんからは、クリエイティブの捉え方やツールについてお話いただきました。資料は SlideShare で公開されています。印象的だったのが「お、ねだん以上」ニトリのコピーから、その値段以上の魅力的な体験を想起させることでコンバージョンを高めていると指摘した点です。つまり、ユーザーエクスペリエンスが重要だと示したスライドがいろんな意味でインパクトがありました (笑)。
また、ニーズ(顧客の欲求)とシーズ(商品価値)のマリアージュ(組み合わせ)に例えて、ペルソナとポジショニングマップのツール紹介をし、マリアージにあたるコンテクストをカスタマージャーニーマップを使うことをお話いただきました。最後に「UX Recipe も紹介いただきました。ありがとうございます (笑)
クライアントの満足を引き出す、コミュニケーション術
by 田口さん (デスクトップワークス)
コース料理でいうメインディッシュ前の3番目になった田口さんです。schoo (スクー) などの公式チャンネルでも発信し続けている田口さんの講演は、参加者にも登壇してもらう新しい形式 (なぞ) を採用し、会場にいた伴さんとふたりで登壇するという新しい講演になりました。冒頭だけ動画が公開されています。ちょいちょい阿部さんのオマージュで使われた (?) 矢沢永吉のキャプチャが印象に残っています。
Webディレクションにおけるコミュニケーションについて解説いただいたのですが、日本の旅館と海外のホテルのサービスを比較し、日本の旅館にみる「おせっかいなおもてなしのほうが有効ではないか」という持論を展開しました。この場合のおせっかいとは、多少の打たれ強さを兼ね備えた常に攻めの姿勢で取り組むことを指しているのだと思います。
個人的にも、ディレクションをする人は何もしなくても平気な人より少し心配性の人のほうがうまくいくと思っていますが、その一方で常に受け身よりも能動的に動ける人のほうがいいわけなので、都合のいいバランスが難しいところです。
検索エンジンで1位をとるために必要なたった一つの考え方
by 松尾さん (ウェブライダー)
アカペラの歌(リズム)で登場した松尾さんの講演はいつもにも増して聞き手を惹きつける効果がありました。自身が取り組んだ事例をもとに、どのようにSEOで上位ランキングを実現したかの開発秘話をお話いただきました。ライティングに心血をそそぐ松尾さんならではの言葉の定義がいくつか出てくるので勉強になります。
論理とは、ある事柄と別の事柄をつなぐ架け橋である
その事例において、医療系ジャンルでビッグワードにあたる病名などにヒットするその理由は、利用者をいかに理解したかにかかってるというお話だったと思います。利用者がどういう思いで検索しているか、どういうふうに役立たせようとしているかなど。その中でとくに重要だと思ったのが、医療業界に限らず専門的であればあるほどふつうの人には伝わらないということです。
今回は「マンドリル」発言はなかったのですが、そのSEO対策における共感を生むコンテンツの開発には、非常に地道であり泥臭いのですが、細部まで血の通ったライティングから生まれてくることが理解できました。
カスタマージャーニーにおけるUXとモバイル設計のポイント
by 坂本 (ネットイヤーグループ)
今回ももちろん流れ的に矢沢永吉のオマージュは忘れずに仕込んだわけですが、最近取り組んだスケジュールアプリの事例をお話しました。そこで経験したカスタマージャーニーマップに可視化することで見えてくる課題に着目し、そのためにはユーザーフローとシステムフローとを理解することがポイントになることをお話しました。例として Think of Google で見ることのできる世界規模の GA の集計値 (規模・ジャンル・地域) をもとにしたカスタマージャーニーや、UX Archive にみるデザインパターンを紹介しました。
また、ワークショップなどで取り組むジャーニーマップについてお話し、ワークショップ後に必要になるデジタル化について Post-It Plus を引き合いに出し、効率よくジャーニー化を試すうえで自社開発中の UX Recipe の紹介をさせていただきました。拡散と収束に見られるように、われわれのワークに必要なツールと課題とを並べて、これからのデザインの取り組み方を示した感じです。
企画 & 提案アプローチの極意 for Web Diretors!
by 中川さん (アンティー・ファクトリー)
中川さんからはアートディレクター視点で、エモーションとロジックについてお話いただきました。例として見せていただいた Apple Watch の発売日前から以降のビデオによる訴求点の違いは一目瞭然でした。この動画を探そうと思ったのですが見つけられませんでした。発売日以前 どういうシーンで、どういう魅力があるのか、製品説明を重視 発売日直前 軽快な音楽とともに製品のデザイン性だけを強調 発売日以降 製品が生活に溶け込んだ映画のワンシーンのような静かな音楽だけ
感情に訴えるアプローチの違いを、エモーションとロジックでご説明いただき、最後に「すきやばし次郎」の品目から伝わるストーリーとそこから見える演出といったものまでお話いただきました。ちょうど夕刻だったため、寿司が食べたくなりおかお腹が空きました…。
懇親会ツアー
福井に来たからには、ということで秋吉・岩ちゃんラーメン・ジェイクのツアーになりました。
秋吉
秋吉では、のっけから100本以上を注文するという荒業をこなすことができました (動画)。
テーブルには置けきれないほどの山のように串が積もり、なぜか行きの電車でしりとりをしたという話をネタに、全員で大人しりとりをはじめるという…(なぞ) うるさすぎるとはじめて店員にも注意を受ける始末。かなりうるさい団体だったと思います。
岩ちゃんラーメン
そのあと、念願の岩ちゃんラーメンを20名くらいで奇襲したうえ、昨年一杯を何人かで分け合った伝説を生んだ岩ちゃんラーメンをようやく一杯分完食することができました。いやあ辛かった。
松尾さんも感激して大将にいろいろと質問をし、「岩ちゃんラーメンは三大ラーメンですよ」と言ったら微笑んでくれた光景が妙にうれしかったです。
ジェイク
そして最後に伝説のジャムセッションを生んだ「ジェイク」で、またもトライアングル担当に。普段つかっていないらしくマドラーで演奏するという… (汗)。
あいかわらずピアノを上手に演奏する松尾さんに、ドラマーとして田口さん、その田口さんの登壇に参加した伴さんがギターという不思議な組み合わせで即興演奏 (動画) をし、山森さんボーカルの「未来予想図」を演奏し、いつもお世話になっているジェイクのオーナーのシンジさんとノノカさんの新曲で感動し、中尾さんの「I Love You」を演奏 (動画) し、ノノカさんといっしょに「卒業写真」も演奏しました (動画)。
最後に松尾さんとシンジ&ノノカといっしょに撮った写真は、まるでコンサート終了後のバンドメンバーのようで (なぞ) ありがとうございました。
たしかそのあともう一件行き、バーで真面目な話からヘンな話をしていたと思います。パンツ企画を熱心に語る女子と妄想しまくりの中川さん、あとミッキーマウスと… (遠い目) 「イクジャーニー」だけ覚えているのですが、どういう文脈で話していたかは思い出せません (汗)。
「車で帰ります」という女子をみんなでパーキングエリアまで送り、フェニックス福井 (ホテル) に戻りましたとさ。